「実家を売ったら税金はいくらかかる?」「親から相続した家を売ったら確定申告が必要?」「3,000万円控除を使えば申告しなくてもいい?」と疑問に思う方は少なくありません。
土地や建物を売却した場合、売却価格そのものに税金がかかるわけではありません。
基本的には、売却価格から購入時の取得費や売却にかかった費用を差し引き、利益となる「譲渡所得」が出た場合に税金を計算します。
さらに、自分が住んでいた実家や一定の相続空き家では、最高3,000万円の特別控除を利用できる可能性があります。
ただし、特別控除によって最終的な税額が0円になる場合でも、特例を利用するために確定申告が必要になるケースがあります。
この記事では、2026年時点の国税庁の情報をもとに、実家・空き家を売却したときの税金、確定申告、取得費、譲渡費用、3,000万円控除、相続した家の注意点まで分かりやすく解説します。
結論|まず「売却価格」ではなく「利益が出たか」を確認
実家を3,000万円で売ったからといって、3,000万円全部に税金がかかるわけではありません。
まず譲渡所得を計算します。
この計算によって利益が生じるかどうかが、税金を考える基本になります。
不動産売却で確定申告が必要になる主なケース
- 実家・土地の売却で譲渡所得が出た
- 3,000万円特別控除を利用する
- 相続空き家の3,000万円特別控除を利用する
- マイホーム売却に関する税制特例を利用する
- 一定の譲渡損失の特例を利用する
- 相続税の取得費加算の特例を利用する
国税庁では、土地や建物を売却して譲渡所得金額、つまり利益が生じた場合は原則として確定申告が必要と案内しています。
「3,000万円控除で税金0円」でも確定申告は必要
ここは特に間違えやすいポイントです。
3,000万円特別控除を利用した結果、課税される譲渡所得が0円になったとしても、特例を受けるためには確定申告が必要です。
「税金が出ない=何もしなくていい」ではありません。
そもそも譲渡所得とは?
土地・建物を売却したときの利益を計算するため、主に次の3つを確認します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡価額 | 土地・建物を売却した金額 |
| 取得費 | 購入代金・購入手数料等 |
| 譲渡費用 | 売却するために直接かかった費用 |
取得費に含まれるもの
取得費とは、土地・建物を取得するときにかかった費用です。
- 土地・建物の購入代金
- 建築代金
- 購入時の仲介手数料
- 一定の登記費用
- 設備費
- 改良費
ただし、建物については購入価格・建築価格がそのまま取得費になるわけではありません。
所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。
だから購入時の売買契約書が重要
実家を売るときは、親が何十年も前に購入した住宅でも、購入時の売買契約書・領収書・建築関係書類などを探しておくことが重要です。
取得費を証明できる資料が残っていると、譲渡所得をより正確に計算できます。
実家の片付けで古い書類を整理するとき、不動産会社・建築会社・金融機関などに関係する書類は売却が終わるまで保管しておきましょう。
購入価格が分からない場合はどうする?
古い実家や先祖代々の土地では、「いくらで購入したのか全く分からない」ということがあります。
その場合、売却価格の5%相当額を取得費として計算できる制度があります。
例えば土地・建物を3,000万円で売却し、取得費が分からない場合、5%にあたる150万円を概算取得費とすることができます。
取得費が分からないと利益が大きく計算される可能性があるため、購入時の資料を探すことは非常に重要です。
相続した実家の取得費はどうなる?
「親から相続したから、自分の取得費は0円」と考える必要はありません。
相続や贈与によって取得した土地・建物を売却する場合、原則として亡くなった方や贈与した方が購入したときの取得費を引き継いで計算します。
つまり
親が購入した実家 → 子どもが相続 → 子どもが売却
この場合、親が購入したときの購入代金や購入手数料などを基に取得費を計算します。
相続した家は「所有期間」も親から引き継ぐ
相続した土地・建物については、取得時期も原則として亡くなった方から引き継ぎます。
つまり、「今年相続したから短期譲渡になる」とは限りません。
親が何十年も前に購入した実家を相続してすぐ売却した場合でも、親の取得時期から所有期間を判定します。
税率は「5年超」か「5年以下」で変わる
土地・建物の譲渡所得は、所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得に分かれます。
| 区分 | 判定 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 売却年の1月1日時点で所有期間5年超 | 15% | 5% |
| 短期譲渡所得 | 売却年の1月1日時点で所有期間5年以下 | 30% | 9% |
これに加え、2026年分については所得税額に対する復興特別所得税も申告・納付します。
2026年に売る場合の長期・短期の目安
2026年中に土地・建物を売却する場合、2026年1月1日時点の所有期間で判断します。
- 2020年12月31日以前に取得 → 原則として長期譲渡所得
- 2021年1月1日以後に取得 → 原則として短期譲渡所得
ただし、相続・贈与の場合は、亡くなった方・贈与した方の取得時期を引き継いで判定します。
譲渡費用として確認できる主なもの
譲渡費用は「家にかかった費用全部」ではありません。
不動産を売却するために直接必要となった費用です。
- 売却時の仲介手数料
- 測量費
- 売買契約書の印紙代
- 一定の立退料
- 土地を売るために行った一定の建物取り壊し費用
固定資産税や通常の修繕費は?
固定資産税や、建物を通常維持するための修繕費などは、原則として売却のための「譲渡費用」には含まれません。
「実家に使ったお金なら何でも経費になる」というわけではないため注意しましょう。
マイホームの3,000万円特別控除
自分が住んでいた住宅を売却した場合、一定の要件を満たすと、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。
以前住んでいた住宅の場合でも、原則として住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却するなど、一定の要件を満たせば対象になる可能性があります。
3,000万円で売ったから控除3,000万円ではない
3,000万円特別控除は、売却価格から3,000万円を引く制度ではありません。
取得費・譲渡費用を差し引いて計算した「譲渡所得」から最高3,000万円を控除します。
相続した空き家にも3,000万円控除がある
親などから相続した一定の空き家を売却した場合にも、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
現在の制度では、2027年12月31日までの譲渡が対象期間です。
代表的な確認項目
- 相続・遺贈等によって取得した住宅か
- 対象となる被相続人居住用家屋か
- 原則1981年5月31日以前に建築された家屋か
- 区分所有建物ではないか
- 売却価格が1億円以下か
- 売却までに賃貸・居住等に利用していないか
- 耐震・取り壊し等の条件を満たすか
細かな条件があるため、相続した家なら自動的に3,000万円控除を受けられるわけではありません。
相続人が3人以上なら控除額に注意
2024年1月1日以後の譲渡について、対象となる家屋・敷地を取得した相続人が3人以上の場合は、1人あたりの控除額が最高2,000万円となる場合があります。
相続税を払った人は「取得費加算」も確認
相続税を支払った人が、相続した土地・建物などを一定期間内に売却した場合、相続税額のうち一定額を取得費へ加算できる特例があります。
主な条件は次のとおりです。
- 相続・遺贈によって財産を取得している
- その人に相続税が課税されている
- 一定期間内に相続財産を売却している
譲渡益を減らせる可能性があるため、相続税を納めた実家を売却する場合は確認しておきたい制度です。
相続空き家3,000万円控除と取得費加算は両方使える?
同じ不動産の売却について、相続空き家の3,000万円特別控除と、相続税額の取得費加算の特例を併用することはできません。
どちらを利用できるか、どちらが有利かは個別の売却内容によって異なるため、税務署・税理士等へ確認しましょう。
売却で損が出た場合は?
土地・建物を売却して損失が出た場合、原則として給与所得・事業所得など他の所得から自由に差し引けるわけではありません。
ただし、自分が住んでいたマイホームの売却については、一定の要件を満たす場合に譲渡損失を他の所得と損益通算したり、翌年以後へ繰り越したりできる特例があります。
特例を利用する場合は確定申告等の手続きが必要です。
実家を売った年に確認する書類
| 書類 | 確認する理由 |
|---|---|
| 購入時の売買契約書 | 取得費を確認 |
| 購入時の領収書 | 取得費を確認 |
| 建築・増改築関係書類 | 取得費等の確認 |
| 売却時の売買契約書 | 譲渡価額を確認 |
| 仲介手数料の領収書 | 譲渡費用を確認 |
| 測量費等の領収書 | 譲渡費用を確認 |
| 登記事項等の資料 | 所有期間・不動産情報を確認 |
書類は売却が終わっても捨てない
実家を引き渡したからといって、売買契約書・領収書などをすぐ処分しないようにしましょう。
売却した翌年の確定申告で必要になる可能性があります。
確定申告までの基本的な流れ
STEP1|実家を売却
STEP2|売却価格・取得費・譲渡費用を整理
STEP3|利用できる特例を確認
STEP4|譲渡所得を計算
STEP5|必要書類を準備
STEP6|原則として翌年に確定申告
会社員でも実家を売ったら確定申告?
会社員で普段は会社の年末調整だけで税金の手続きが終わっている方でも、不動産売却による譲渡所得が生じた場合などは別途確定申告が必要になることがあります。
会社の年末調整だけで不動産売却の申告が完了するわけではありません。
税金がいくらか不安なら売却前に資料を集める
税金は売却価格だけを見ても判断できません。
- 親がいくらで購入したか
- いつ購入したか
- 建物の購入・建築価格
- 売却にいくら費用がかかるか
- 自宅として使用していたか
- 相続した家か
- 相続税を納めたか
これらによって計算結果が変わります。
実家の片付けで「税金に必要な書類」を捨てない
売却前に実家を片付けると、大量の古い紙類が出てきます。
しかし、その中に取得費を証明する重要書類が含まれている場合があります。
- 不動産会社の古い封筒
- 売買契約書
- 工務店・ハウスメーカーの契約書
- 住宅ローン書類
- 購入時の領収書
- リフォーム関係書類
- 登記関係書類
内容が分からない不動産関係書類は、確定申告が終わるまで別に保管しておくと安心です。
家財についても全部処分する前に確認
実家を売却する際は、税金の書類だけでなく家の中の家具・家電も整理することになります。
出張買取センター24Hでは、家具・家電・ブランド品・貴金属・工具・楽器・カメラ・玩具など、幅広い品目を査定しています。
まず買取できる物を確認し、そのうえで残った不用品の引き取りについてもご相談いただけます。
売却前に家財量を減らしたい場合もまとめてご相談ください。
処分前に確認したいもの
- 冷蔵庫・洗濯機・テレビ
- 家具・一枚板
- ブランドバッグ・財布
- 金・プラチナ・宝石
- 腕時計
- カメラ・レンズ
- 楽器
- 工具・電動工具
- オーディオ
- ブランド食器
- 骨董品・茶道具
- ゲーム・玩具
相続した実家なら遺品整理と分けて考える
亡くなった親の実家を売る場合は、相続手続き・税金・家財整理を同時に進めることになります。
遺言書・権利証・通帳・不動産購入時の書類などを先に確認し、必要な書類を確保してから家財整理を進めましょう。
遺品整理について詳しく見る →実家売却と確定申告についてよくある質問
Q. 実家を売ったら必ず確定申告が必要ですか?
A. 売却によって譲渡所得が生じた場合は原則として確定申告が必要です。また、3,000万円特別控除などの特例を利用する場合も確定申告が必要です。
Q. 3,000万円控除で税金が0円なら申告しなくていいですか?
A. いいえ。3,000万円特別控除を適用するためには確定申告が必要です。
Q. 親から相続した実家の購入価格が分かりません。
A. まず親が購入したときの契約書・領収書等を探します。取得費が分からない場合には、売却価額の5%相当額を概算取得費として計算できる制度があります。
Q. 今年相続してすぐ売ったら短期譲渡ですか?
A. 必ずしもそうではありません。相続の場合は原則として亡くなった方の取得時期を引き継いで所有期間を判定します。
Q. 相続した空き家でも3,000万円控除を使えますか?
A. 一定の要件を満たす被相続人の居住用財産であれば対象になる可能性があります。建築時期・売却時期・利用状況など複数の条件があります。
Q. 相続税を払っている場合に使える制度はありますか?
A. 一定の要件を満たせば、相続税額の一部を取得費へ加算できる特例があります。
Q. 相続空き家の3,000万円控除と取得費加算は両方使えますか?
A. 同じ不動産の売却について両方を併用することはできません。どちらが適用できるか確認が必要です。
Q. 売却で損をした場合は何もしなくていいですか?
A. 通常の土地・建物売却の損失には他の所得との損益通算に制限がありますが、一定のマイホーム売却では特例を利用できる場合があります。利用する場合は申告手続きが必要です。
実家売却の税金チェックリスト
| 確認 | 項目 |
|---|---|
| □ | 売却価格を確認した |
| □ | 購入時の売買契約書を探した |
| □ | 購入時の領収書を確認した |
| □ | 建築・増改築書類を確認した |
| □ | 売却時の仲介手数料等を保管した |
| □ | 所有期間を確認した |
| □ | 相続なら親の取得時期を確認した |
| □ | 3,000万円控除の対象か確認した |
| □ | 相続税の取得費加算を確認した |
| □ | 確定申告が必要か確認した |
お役立ち情報|関連ページ
お役立ち情報の記事一覧を見る → 遺品整理について詳しく見る → 取り扱い品目一覧を見る → 実際の買取実績を見る →参考資料|公的情報
- 国税庁|土地や建物を売ったとき
- 国税庁|長期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁|短期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁|取得費が分からないとき
- 国税庁|マイホームを売ったときの3,000万円特別控除
- 国税庁|被相続人の居住用財産を譲渡した場合の特別控除
- 国税庁|相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
本記事は一般的な制度を分かりやすくまとめたものです。実際の税額や特例の適用可否は、取得時期・売却方法・相続状況などによって異なります。具体的な税務判断については税務署・税理士等へご確認ください。
まとめ|実家を売ったら「売却額」ではなく譲渡所得を確認
実家・空き家を売った場合、売却代金の全額に税金がかかるわけではありません。
基本的には、売却価格から取得費・譲渡費用を差し引き、さらに利用できる特別控除を適用して課税される譲渡所得を計算します。
特に重要なのが購入時の売買契約書です。
取得費が分からない場合には売却価額の5%を概算取得費として計算できる制度がありますが、本来の取得費を証明できた方が有利になるケースもあります。
また、相続した実家については、原則として親など被相続人の取得費と取得時期を引き継ぎます。
そのため、「今年相続したから短期譲渡」「相続したから取得費は0円」と単純に考えないことが大切です。
自分が住んでいた実家や一定の相続空き家では、最高3,000万円の特別控除を利用できる可能性があります。
ただし、特別控除を使って最終的な税額が0円になる場合でも、特例を適用するための確定申告が必要です。
実家の売却が決まったら、家財を処分する前に、不動産購入時の契約書・領収書・登記書類などを確保しておきましょう。
そして家の中に残った家具・家電・ブランド品・貴金属などについても、売却できる物を先に確認すると、実家の整理を効率よく進められます。
実家・空き家の売却に向けて、家具や家電など家財を整理したい場合もまとめてご相談いただけます。
まず買取できる物を確認し、残った不用品の引き取りについてもご相談ください。
24時間受付・24時間対応
実家・空き家の家財整理について相談する →
