「実家を売りたいけれど空き家バンクって何?」「普通の不動産会社に頼むのと何が違う?」「登録すれば本当に売れる?」と気になる方は少なくありません。
空き家バンクは、空き家を売りたい・貸したい所有者と、買いたい・借りたい人をつなぐために自治体などが運営する仕組みです。
特に地方の空き家や、一般的な不動産市場だけでは買主を見つけにくい住宅について、移住希望者などへ情報を届ける方法のひとつとして利用されています。
さらに現在は、自治体ごとに分かれていた情報を全国から検索できる「全国版空き家・空き地バンク」も運用されています。
ただし、空き家バンクへ登録したからといって必ず売れるわけではありません。
自治体によって登録条件・仲介方法・利用者条件なども異なります。
この記事では、2026年時点の国土交通省の情報をもとに、空き家バンクの仕組み、登録方法、メリット・デメリット、不動産会社との違い、家財が残っている場合の片付けまで分かりやすく解説します。
結論|空き家バンクは「売却先を探す選択肢を増やす仕組み」
空き家バンクは、不動産会社の代わりになる制度というより、空き家を売る・貸すための選択肢を増やす仕組みと考えると分かりやすくなります。
不動産会社
一般の不動産市場で買主・借主を探す。
空き家バンク
自治体を通じて空き家を探している人へ情報を届ける。
併用を確認
自治体のルールによっては不動産会社との媒介と組み合わせる。
国土交通省も、空き家を売りたい・貸したい場合は、不動産事業者への相談だけでなく自治体の空き家バンクへ登録する方法を紹介しています。
空き家バンクとは?
空き家バンクは、自治体などが地域の空き家情報を集め、空き家を利用したい人へ紹介する仕組みです。
空き家を売りたい・貸したい所有者
↓
自治体の空き家バンクへ登録
↓
物件情報を公開
↓
買いたい・借りたい人が検索
↓
問い合わせ・交渉・契約へ
実際の交渉・契約方法は自治体によって異なります。
2026年最新|全国版空き家バンクは1,153自治体が参加
国土交通省によると、2026年9月末時点で「全国版空き家・空き地バンク」には1,153自治体が参加しています。
そのうち748自治体が物件情報を掲載中です。
自治体へのアンケート調査等による成約実績は、約28,000件となっています。
全国版空き家・空き地バンクは、LIFULLとアットホームの2事業者によって運営されています。
各自治体が持っている空き家情報を、自治体をまたいで検索しやすくするための仕組みです。
全国版空き家バンクはいつからある?
国土交通省では2017年10月から試行運用を開始し、2018年4月から全国版空き家・空き地バンクの本格運用を開始しています。
自治体ごとに異なっていた空き家情報を、全国から探しやすくする目的で構築されました。
空き家バンクに登録すれば必ず全国版にも掲載される?
必ずしもそうではありません。
国土交通省によると、全国版空き家・空き地バンクへの掲載には所有者等の同意が必要で、自治体の判断によって全国版へ掲載されない場合もあります。
まず空き家所在地の自治体へ確認しましょう。
空き家バンクに直接登録できる?
全国版空き家・空き地バンクへ、所有者が直接物件を登録する仕組みではありません。
各自治体が把握・提供している空き家情報を掲載する仕組みなので、基本的には空き家所在地の自治体を通して登録します。
空き家バンク登録の一般的な流れ
自治体によって異なりますが、一般的には次のような流れになります。
STEP1|空き家所在地の自治体へ相談
STEP2|登録条件を確認
STEP3|申請書・物件情報を提出
STEP4|物件の確認・調査
STEP5|空き家バンクへ掲載
STEP6|購入・賃借希望者から問い合わせ
STEP7|交渉・契約
登録時に確認されやすい情報
- 所在地
- 土地・建物の所有者
- 売却・賃貸希望
- 希望価格・賃料
- 建物構造
- 間取り
- 築年数
- 床面積
- 建物の状態
- 写真
必要書類や調査方法は自治体によって異なります。
空き家バンクに登録できない家もある?
自治体ごとに登録基準があり、すべての空き家が必ず掲載されるとは限りません。
確認される可能性のある項目
- 所有関係
- 建物の安全性
- 売却・賃貸できる状態か
- 違法建築等の問題がないか
- 自治体の対象地域か
具体的な登録条件は、空き家所在地の自治体へ確認してください。
空き家バンクと不動産会社の違い
| 比較 | 空き家バンク | 一般の不動産会社 |
|---|---|---|
| 運営 | 自治体等 | 民間事業者 |
| 主な目的 | 空き家活用・移住促進等 | 不動産取引 |
| 掲載対象 | 自治体の条件を満たす空き家 | 事業者が取り扱える不動産 |
| 売買交渉 | 自治体により方式が異なる | 媒介業者が対応する場合が一般的 |
| 補助制度 | 自治体制度と連動する場合あり | 必ずしも連動しない |
自治体が売買交渉までしてくれる?
必ずしも自治体が交渉・契約を代行するわけではありません。
国土交通省のQ&Aでは、物件登録にあたって宅地建物取引業者との媒介契約を必須としている自治体もあると案内しています。
直接交渉型、宅建事業者の仲介型など、運用方法は自治体によって異なります。
トラブルが起きたら国が仲裁してくれる?
全国版空き家・空き地バンクへ掲載されているからといって、国が個々の売買・賃貸契約を保証しているわけではありません。
国土交通省は、物件取引に関する交渉・各種手続きは当事者の責任で行い、トラブルについて国や全国版バンク運営事業者は関与しないと案内しています。
契約について不安がある場合は、宅地建物取引業者など専門家を利用する方法があります。
空き家バンクのメリット
1|空き家を探している人へ直接情報を届けやすい
空き家バンクを見る人は、もともと中古住宅・地方移住・空き家活用などへ関心を持っている場合があります。
2|全国から見てもらえる可能性
全国版空き家・空き地バンクに掲載されれば、地域外から空き家を探している人にも情報を届けやすくなります。
3|自治体の移住施策とつながる場合がある
空き家バンクを移住促進施策として活用している自治体があります。
4|補助制度を利用できる場合がある
自治体によっては、空き家バンク登録を条件として、家財処分・改修・取得などの補助制度を利用できる場合があります。
空き家バンクのデメリット・注意点
1|登録すれば必ず売れるわけではない
立地・価格・建物状態・需要などによっては、長期間問い合わせが入らない可能性があります。
2|自治体によって仕組みが違う
登録条件、掲載期間、仲介方法、利用者条件などが自治体によって異なります。
3|利用者が限定される場合がある
自治体によっては、移住促進を目的として、市外・県外からの移住者などに利用条件を設けている場合があります。
4|家の状態によって登録できない場合がある
老朽化が進んだ住宅などでは、自治体の基準によって登録できない可能性があります。
空き家バンクに登録すれば本当に売れる?
「空き家バンク=すぐ売れる仕組み」ではありません。
ただし、全国版では2026年9月末までに約28,000件の成約実績が確認されています。
つまり、実際に売買・賃貸などにつながっている仕組みではありますが、個々の物件の成約を保証するものではありません。
売れやすくするために確認したいポイント
- 現実的な売却価格か
- 建物状態が分かる写真を用意する
- 水回りの状態を確認する
- 庭・外観を整理する
- 家財の量を確認する
- 雨漏り・破損等を把握する
- 必要に応じて不動産会社にも相談する
家財が残っていても空き家バンクに登録できる?
家財が残っていることだけで一律に登録不可になるわけではありませんが、自治体ごとの登録基準を確認する必要があります。
大量の家具や荷物が残っていると、購入希望者が建物の状態を確認しにくくなる場合があります。
まず自治体へ相談し、「どの程度まで整理しておく必要があるか」を確認するとよいでしょう。
最初から全部捨てる必要はない
空き家バンクへ登録するからといって、家具・家電をすべて処分してから相談する必要はありません。
まず重要書類・貴重品・家族が残す物・売却できる物を確認しましょう。
登録前に確認したい重要書類
- 登記済権利証
- 登記識別情報通知
- 固定資産税関係書類
- 売買契約書
- 建築関係書類
- 測量・境界関係書類
家具・家電は処分前に買取できるか確認
空き家バンクへの登録を考えて家財整理をする場合でも、すべてを処分対象にする必要はありません。
比較的新しい家電、ブランド家具、一枚板、貴金属、ブランド品、工具、楽器、カメラ、オーディオ、玩具などは、中古品として再利用できる可能性があります。
売却できる物を先に分ければ、空き家に残る家財量を減らすことができます。
処分前に確認したい物
| ジャンル | 確認するポイント |
|---|---|
| 冷蔵庫・洗濯機 | メーカー・型番・製造年 |
| 家具 | ブランド・メーカー・購入時期 |
| 貴金属 | 刻印・素材 |
| 時計 | ブランド・型番・付属品 |
| カメラ | メーカー・モデル・レンズ |
| 工具 | メーカー・型番 |
| 楽器 | ブランド・モデル |
| 食器 | ブランド・箱・シリーズ |
家具は高級ブランドだけではない
Cassina、B&B Italia、arflex、カリモク、飛騨産業などだけでなく、ニトリ・IKEA・無印良品・LOWYA・KEYUCA・Francfrancなどの家具も、商品・状態・購入時期によって確認します。
家具の出張買取について詳しく見る →家電は家電リサイクルに出す前に確認
家庭用の冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機、テレビ、エアコンは家電リサイクル法の対象です。
比較的新しく正常に使用できる製品であれば、リサイクル料金等をかけて処分する前に査定できる可能性があります。
家電の出張買取について詳しく見る →空き家バンクと補助金はセットで確認
前の記事で紹介したように、自治体によっては空き家バンクへの登録を条件として家財処分費・改修費などを補助しています。
そのため、片付けを始める前に次の2つを確認するのがおすすめです。
1|空き家バンクへ登録できるか
2|登録すると利用できる補助制度があるか
補助制度は作業開始前の申請が必要な場合もあるため、先に自治体へ確認しましょう。
不動産会社と空き家バンク、どちらを使うべき?
どちらか一方だけに限定する必要があるとは限りません。
自治体の登録ルールを確認したうえで、空き家バンクと不動産会社の両方から売却方法を検討する考え方があります。
| こんな場合 | 検討したい方法 |
|---|---|
| 一般市場でも需要が期待できる | 不動産会社へ査定相談 |
| 地方・郊外の空き家 | 空き家バンクも確認 |
| 移住者へ届けたい | 空き家バンクを確認 |
| 補助制度を利用したい | 自治体制度・空き家バンク条件を確認 |
| どう売ればいいか分からない | 自治体・不動産会社の両方へ相談 |
価格は誰が決める?
売却希望価格についても自治体・運用方法によって異なります。
相場とかけ離れた価格を設定すると問い合わせが入りにくくなる可能性があります。
必要に応じて不動産会社へ査定を依頼し、周辺の売買事例なども参考にするとよいでしょう。
古い家ならインスペクションも検討
国土交通省は、空き家を売る際に専門家が建物の状態を調査する「インスペクション」を利用する方法も紹介しています。
建物状態を把握しておくことで、購入希望者へ状況を説明しやすくなり、売却後のトラブル防止にもつながる場合があります。
空き家バンク登録前チェックリスト
| 確認 | 項目 |
|---|---|
| □ | 土地・建物の所有者を確認した |
| □ | 自治体に空き家バンクがあるか確認した |
| □ | 登録条件を確認した |
| □ | 希望する売却・賃貸方法を決めた |
| □ | 重要書類・貴重品を確保した |
| □ | 売れる家具・家電を確認した |
| □ | 家財処分補助の有無を確認した |
| □ | 建物の破損・雨漏り等を確認した |
| □ | 庭・外観の状態を確認した |
| □ | 不動産会社への相談も比較した |
空き家バンクについてよくある質問
Q. 空き家バンクは無料ですか?
A. 自治体の登録制度自体は無料の場合がありますが、契約時に不動産会社の仲介を利用する場合は仲介手数料等が発生する可能性があります。自治体のルールをご確認ください。
Q. 空き家バンクに登録すれば必ず売れますか?
A. 必ず成約するわけではありません。立地・価格・建物状態・地域の需要などによって異なります。
Q. 全国版には何自治体が参加していますか?
A. 国土交通省によると、2026年9月末時点で1,153自治体が参加し、748自治体が物件情報を掲載しています。
Q. 全国版の成約実績はありますか?
A. 国土交通省が自治体へのアンケート等から集計した成約実績は、2026年9月末時点で約28,000件です。
Q. 全国版へ自分で直接登録できますか?
A. 全国版は自治体が持っている空き家情報を掲載する仕組みです。まず空き家所在地の自治体へ相談してください。
Q. 不動産会社を使わず直接売買できますか?
A. 自治体によって運用が異なります。宅地建物取引業者との媒介契約を必須としている自治体もあります。
Q. 家財が大量に残っています。
A. まず自治体へ登録条件を確認し、重要品・売却できる家具や家電を分けた後、必要な範囲で家財整理を進めるとよいでしょう。
Q. 空き家バンク登録で補助金を利用できますか?
A. 自治体によっては、登録物件を対象に家財処分・改修等の補助制度を設けています。空き家所在地の制度をご確認ください。
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空き家バンクの登録条件・仲介方法・利用者条件・補助制度などは自治体ごとに異なります。実際の登録時は空き家所在地の市区町村へ最新情報をご確認ください。
まとめ|空き家バンクは「売る方法を増やす」ために確認する価値がある
空き家バンクは、空き家を売りたい・貸したい所有者と、利用したい人をつなぐ自治体の仕組みです。
2026年9月末時点では、全国版空き家・空き地バンクへ1,153自治体が参加し、748自治体が物件情報を掲載しています。
成約実績も約28,000件まで増えており、実際に空き家の売買・賃貸等につながっている仕組みです。
一方、登録すれば必ず売れる制度ではありません。
自治体によって登録条件・交渉方法・利用者条件などが異なるため、まず空き家所在地の市区町村へ確認しましょう。
また、不動産会社へ相談する方法と空き家バンクは、必ずしもどちらか一方だけを選ぶものではありません。
物件の立地・状態・売却希望時期などに応じて、複数の方法を比較することが大切です。
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